錆びついた障壁をテクノロジーとパートナーシップで<br>ぶち壊す建築業界のアベンジャーズ

錆びついた障壁をテクノロジーとパートナーシップで
ぶち壊す建築業界のアベンジャーズ

ADC(Advanced Design & Construction)とは、最先端の設計・施工技術を束ね、現実社会への実装を目指すオノコム主導のイニシアティブである。

「最先端の技術や素材をいち早く取り入れて実証を行うだけではなく、現実のプロジェクトに落とし込み、住宅不足や環境配慮、エネルギー問題などの社会課題を建築の力で解決することを目指す。それがADC推進室のミッションです」とADC推進室ゼネラルマネジャーの那須貴寛は話す。

2025年11月、ADCの理念を体現したプロジェクト「Stealth House」が完成した。これは3Dコンクリートプリンタ(以下、3DCP)で2階立ての住宅を一体印刷した日本初の事例となった。過去には3DCPで部材を印刷した平屋住宅の建築事例はあるが、Stealth Houseは基礎から構造体、配管空間まで現場に設置した3DCPで連続印刷し、構造の強度、設計の自由度、安全性というハードルをすべて突破したという意味で建築の未来を切り拓いたといっても過言ではない。

「Stealth House」の建築プロセスと竣工の様子をまとめた映像。

COBOD社の3DCPをオペレーションしたのは、国内3DCP業界をリードする株式会社築の代表五十嵐理香氏
未来的なコンセプトデザインを担当したのは、家具からモビリティ・建築物まで洗練されたビジュアライゼーションで定評のあるZKI design代表の塩月卓也氏。
異形の構造物を建築申請する図面に落とし込んだのは、3次元設計の豊富な知見と卓越した技術を持つ株式会社白矩の押山玲央氏。
既存の手法では計算不能なStealth Houseの構造設計・監理を担ったのは、建築物の解析や技術コンサルティングの大手である構造計画研究所。
繊細な色彩を発する有機的な照明をデザインしたのは3Dプリントに特化したデザインスタジオの株式会社積彩。
植物から抽出した樹脂を原料に唯一無二のキッチンを3Dプリンタで印刷したのは株式会社Spacewasp。

「Stealth Houseのプロジェクトは、国内の建築系3Dプリンタ業界で先端を走るスペシャリストが一堂に会したアベンジャーズのような陣容でした」と那須は振り返る。

現在ADCプロジェクトでは、ガントリータイプの3DCPでの建築に取り組むべく準備を進めている。ガントリータイプは現場で建物を印刷が可能だが、3Dデータ、機械、材料のハンドリングが難しいため、優秀なパートナーと組んで多面的な検証を行う必要がある。

「ADCで最先端の取り組みを進める上で最大の課題は法律の壁です。建築の認可が取れなければ、どれほど優れた技術も絵に描いた餅です。そこをクリアするため、我々も国が主導するワーキンググループに参加して地道な働きかけを続けています」(那須)

ADC推進室ゼネラルマネジャーの那須貴寛
ADC推進室ゼネラルマネジャーの那須貴寛。「Stealth House」の建築現場にて。

建設業界では、深刻な人手不足や多大な業務負荷、資材高騰など課題が山積し、デジタル技術を活用した効率化が最も求められているが、保守的な体質など障壁が無数に存在し、進化の歩みが非常に遅い。

那須がリードするADC推進室は業界のゲームチェンジャーとして、テクノロジーとパートナーシップを束ね錆びついた障壁をぶち壊す存在になろうとしている。

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