何の変哲もない築古の雑居ビルの一角が、未来志向の若者たちが集まる秘密基地になっている──
その空間の名は「VDC LAB(ラボ)」、オノコムが新たに始めた建築×デジタルの先端研究や実験を行うための施設だ。

「基礎技術開発の実験施設であり、デジタル技術と建築の融合分野に興味を持つ人材を誘引し、育て、ストックする施設です。VDCの技術って建築の範疇を飛び越えてしまい、最近は業界内外からいろいろな相談や依頼がたくさん届く状態になっています。断ればいいのかも知れないけど、おもしろそうだから全部やりたいんですよね。でも既存のメンバーだけじゃ手が回らない。そういうプロジェクトを手伝ってくれる感度の高い人たちを集めて実践する場所、それがVDC LABです」とVDC推進室General Manager林和弘は、ラボの概要を説明する。
巨大な自然石を建築物に用いるシミュレーションをしたり、日本の伝統技術を元にデジタルで設計して3Dプリンタで立体構造物を造形したり、Unreal Engineに3DGSデータを取り込んで庭園をデザインしたり、アーティストがデザインした巨大なオブジェクトを3Dモデルにして水流シミュレーションをしたり、ラボでは極秘プロジェクトが日々行われている。
最先端のデジタル機器や加工設備を自由に使うことができ、ユニークなプロジェクトに携われるVDC LABは、建築×デジタル分野に興味を持つ人にとって夢のような場所となっている。

「出入りしているのは、建築学科や理系の大学生プラスものづくりの道を志すフリーランスです。大学の研究室や職場にはない最先端のツールを自由に使えて、刺激的なプロジェクトに携わり、デザイン~現物の加工・制作までできる。先進的なものづくりに興味のある学生には、他では得られない経験ができる場だと思います」(林)
VDC LABは国内外の大学や企業、研究者、建築家、アーティストらと連携して数々の共同研究やプロジェクトが常に動いている。
「様々なプロジェクト関係者がビジョンを語り、必要なもの、欲しいもの、使ってみたいもののリストをつくり、それを課題として蓄積し、具現化していく感じです。メンバーたちは自分ではつくれないと思うと、腕の立つ仲間やぶっ飛んだ天才的な人を連れてくるので、それがラボに優秀な人材をストックする結果につながっています。その中から将来オノコムに入社する人や、一緒にプロジェクトを遂行できる人材が育ってくれることを期待しています」と林はラボの裏の狙いを話す。
社会にインパクトを与えるイノベーティブな実験や最先端の研究開発が日々繰り返されるVDC LAB、ここは「自分の手で世界を変える何かを成し遂げたい」という若者を惹きつけて離さない秘密基地のような空間である。
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