「大規模な案件を自分の采配でまとめて最後形に落とし込むところに、仕事の難しさとやりがいを感じます。そういう現場ほど足場が外れて建物が見えた瞬間の感慨は大きいですね」と中村は話す。
宮大工だった叔父の影響で、小さい頃から大工に憧れていた。しかし、高校へ進学するとき、「将来、宮大工の仕事は無くなるかもしれない。先を考えて未来を決めなさい」と父親に言われ、デザイン・設計の道へ進むことにした。大学でデザイン・設計を学ぶうちにデスクに座ったままの仕事は性に合わないと感じ始める。そんなときに参加した大学の研修が進むべき道を示す光となった。
「ログハウスを建てる研修で私の役割は1年生の面倒を見ながらプロジェクトを円滑に進めることでした。多くの人たちとコミュニケーションを取りながら全員の力をひとつにまとめる。その結果自分一人ではなし得ない大きな結果が現れる。そのプロセスがすごく楽しくて、自分には現場監督の仕事が向いているかもしれないと思いました」
就職活動が始まる頃、卒業した先輩から「今オノコムっていう会社で働いているんだけど、すごく良い会社だから中村も来ないか?」と誘われた。
「会社説明会で達朗社長がお話しされたのですが、その声が魅力的でグイグイ話に引き込まれ、オノコムに興味を持ちました。入社の決め手になったのは、社員同士が年齢関係なくフランクに会話している姿を見たことです。こういう環境で働けたら楽しいだろうなと思い入社を決意しました」
現在の肩書は関西地域を担当するエリアマネージャー。工事統括と連携しながらプロジェクトの立ち上がりから関わり、全体に目を配りながら竣工までマネジメントする。オノコムで「現場プロデューサー」と呼ばれる仕事だ。
「パートナー企業と定期的に打合せする機会を設け、工事の情報や工程を聞いて回ることも現場プロデューサーの大事な仕事です。担当エリアの動向をウォッチし、常に状況を把握し『中村に聞けば、関西エリアのことは何でもわかる』と言われる存在になりたいと思っています」
仕事の流れは、まずプロジェクトが立ち上がったら営業と一緒に現地へ足を運び、工事内容や工期を検討して工程表を作成する。次に現場監督が決定したら、工事内容について申し送りをして受け渡す。そこからは全体に目を配りながら問題が起きれば対処し、決められた工期と予算で収まるよう進捗を管理し、建物が竣工するまで面倒を見る。エリア内で複数のプロジェクトが動いていれば、同時並行でマネジメントを行う。
現場プロデューサーの仕事
「大規模物件の場合、関わる人数が多く調整が大変ですが、自分の采配で最後形へ持っていくプロセスに仕事の醍醐味を感じます。ここ数年は物資が高騰していて、いかにクオリティを落とさずコストダウンするかが、腕の見せ所です。最初から最後まで頭をフル回転させて自分なりに工夫しながらプロジェクトを進めていくので、竣工を迎えたお客さまが言葉にならない表情で建物を見ている姿をみると、この仕事をしていて本当に良かったと感じます」
人と人を繋ぎ、自分の采配でプロジェクトを完遂し、お客さまに感動を与える、そこに幸せを感じる、中村は現場プロデューサーという仕事に誇りを持っている。
プロフィール
中村 悠紀
2010年入社。エリアマネージャー
「ONOCOM-ZINE」とは?
オノコムのIT活用を推進するiTeamsが自社を独自に取材し、事実に基きつつも適度に脚色を加えながらユルくお届けする情報発信メディアです。