施工現場におけるOVER THE BORDER。<br> アナログの境界を超えて

施工現場におけるOVER THE BORDER。
アナログの境界を超えて

OVER THE BORDER 。境界を超えて未開のフィールドを切り拓く、これはオノコムの経営姿勢を表す新たなスローガンだ。これまで、さまざまな境界を乗り超えてきたオノコムは、今、施工現場でもOVER THE BORDERに挑む。

オノコムでは、クラウドやBIM、VDC(Virtual design & construction)、VRなどのデジタル技術を駆使して、建設業界の業務を変革してきた。しかし、どれほどデジタル化を進めても、最後は、現場の職人による手作業がなければ建物は建たない。つまり、建設DXの成否は、デジタルとアナログの境界に位置する現場にかかっているということだ。

そのデジタルとアナログの境界に立ち、長年、現場を仕切ってきた工事本部の曽木宏工事長は、その実情を以下のように話す。

「この10年で、急速にデジタル化が進んだことにより、工事の進め方は一変しました。例えば、かつて空撮といえば、飛行許可申請をして、天候に合わせてフライト日を決めたり、大変なコストと労力がかかるため、竣工時だけの特別なものでした。でも今は、午前中にドローン撮影をし、その日の午後にその画像を利用して職長さんと打ち合わせをすることも当たり前になるなど、仕事のやり方は大きく変わりました。また、施工前に関係者全員でVRやBIMベースの3Dモデルを使った擦り合わせをしているので、想定外の問題が起きることもほとんどありません。とはいえ、デジタルも100%ではないので、最後は現場で人が確認して、ズレを修正しなければなりません。そのデジタルとアナログのギャップを埋めるのが、我々現場監督の仕事です。プロジェクトの成否を握る要の仕事ですから、責任は大きいですよ」

(左上)工事本部 工事主任の今田啓太、(右上)統括工事主任の中山裕之、(下)工事本部 工事長の曽木宏。インタビュー中は終始なごやかな雰囲気。

「我々はデジタルで情報を管理していますが、協力会社さんはまだアナログ中心なので苦労する場面は多々あります。でも、デジタルが苦手という職人さんでも、iPadで撮影した写真にデジタルペンで指示を書き込んで共有すると、『わかりやすいし、言った言わないが起きないからやりやすい』という人が多いのも事実です。現場のデジタル化は、まだまだこれからですが、協力会社と連携して、工事現場のDXをどんどん進めていきたいですね」と、工事本部の今田啓太工事主任は、現場におけるデジタル活用の現状を話す。

(上) BIMベースの3Dモデルにタブレット端末からアクセスし検討している様子。(下)昼イチに行われる定例会議の様子。タブレット端末に集約されている懸案事項をモニターに映し、職人らを交え協議する。

オノコムのデジタル化は、上流の企画・設計プロセスだけではなく、現場の工事プロセスからも始まっており、デジタルとアナログの境界を着実に乗り超えている。

現場のOVER THE BORDERがすべて完了したとき、オノコムのVDCは、未開の領域へ新たな一歩を踏み出すことになる。

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