豊橋市の夕闇に17時を知らせる環境音楽が鳴り響く。その音楽が鳴り終わる頃には、オノコムのグループ会社ビルドサービスの社内から社員の姿は消えている。
「基本的にうちは残業しません。16時過ぎても仕事が終わらない部署があれば、違う部署のメンバーが手伝いに来て17時までに仕事を終わらせようとし、全員が助け合うことで残業ゼロを目指しております。この業界では珍しいかもしれませんね。でも、それには理由があります。建設現場への資材納品のため、整備・提供・引取・高所作業など、心身ともにタフな仕事を日々こなしてくれています。現場ではちょっとした判断ミスや体調不良が事故につながりかねません。だから、社員には心身が健康でいられる環境を整えてあげたい、それが社長たる私の使命だと考えています」と、ビルドサービス代表取締役社長の鈴木正人は社員への想いを語る。
ビルドサービスは、建築工事の地鎮祭や起工式の準備・設営から仮設事務所、資材のレンタル・販売、足場の組立・解体、内装資材の提供、竣工式の運営まで、すべての業務を支える黒子的な会社だ。建築業界は肉体労働でブラックなイメージを持たれるかもしれないが、ビルドサービスは真っ白なホワイト企業である。
社員が残業しない理由はもう一つある。全社員のコスト意識がめちゃくちゃ高いのだ。社員は、自社の売上高・利益率等すべて把握しており、いかに多くの利益を生めるか、全員が本気で考えている。
「社員が楽しみにしているのはズバリ、決算ボーナス!決算の5月末が近づくにつれ『今期の利益はどのくらいですか?』と、社員が何度も聞いてきます。『もう少し売上げが欲しいな』と正直に話すと、残業代より決算ボーナスの方がほしいからと社員は一丸となって仕事に精を出してくれます。がんばった分だけお金で返ってくる、シンプルな話ですけど、それが社員のやる気につながっていると感じています」

会社設立40周年を迎えたビルドサービスは、さらなる進化を目指す。従来の足場・仮設リース業の枠を超えて22カテゴリ・2000商品の多彩な取扱商品と、さまざまな規模、スケジュール、予算への対応力、豊富な知見を活かした合理化提案などを提供する総合建設会社における「気の利く仮設部」をスローガンに事業の拡大に取り組む。
「創業者小野常次翁が示した『自分がこの建設と云う仕事に進んだ以上、この仕事、この職業を天職と心得て、まっしぐらに仕事の成功に突進する』という言葉、そして人生における節を善意の力で乗り越えて成長する『人生竹の如し』をはじめとする『創業の志』を胸に、風通しの良い企業となりグループ内ナンバーワンを目指し、また企業パートナー様との強固な連携を創り上げていきたいと考えています」
さらなる飛躍に向けて事業の多角化を推進するビルドサービスは、目標残業ゼロにも関わらず仕事が増え続け、右肩上がりの成長を続けている。グループ内では目立たない裏方仕事ではあるが、「ぜひビルドサービスで働きたい」と名乗り出るグループ社員もいるくらい、居心地の良さが際立つ、業界でも珍しいほどのホワイト企業は、今新たなステージへ向けて歩み始める。
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